ポスターから考えたこと


展覧会612621のオープニングとして6月12日にトークイベントを
北大でやっていただくのですが、タイトルが、


「菊池邸建設予定地とは何なのか?」


アヤさんが考えたコピーなんですが、
ちょっと引きぎみ。特にカミさんが・・・・・
とはいえ中身をよく表したタイトルであることに違いないです。
それでそのポスター、フライヤーが出来上がってきました。
612621プロジェクト真砂さんがつくったものです。

DM、ポスター、フライヤーどれにも
「旧ワンダーアーキ建築設計事務所」にある
とても小さな断片の写真が使われています。
それは、どれも記憶にあるもので、
ひとつは、なんの様式をコピーしたのかわからない、
トイレのドアのノブ(とにかく白く塗り込めた・・・)であり、
ひとつは、抜こうと思っていたのに、
結局ほったらかしにされて残っている
鴨居に打ち付けられているビスであり、
そして、塗り損ねて気になっていた配管と壁の取合いであり、
私にとっては、ある種、ネガティブな価値しか無かったものです。

ところがこうやって写真を見せられると、とても愛おしい。
私にとっては、まるでむかし聞いた曲が流れてきて、
その時のことを思い出す、そんな感じがするポスターです。
「ハシラノキズハ オトトシノ
 ゴガツイツカノ セイクラベー・・・・・」。

真砂さんが、どういう意図でこの写真を使ったのか、
撮影したアヤさんがどういう意図でこの場面を切り取ったのか、
もし私をセンチメンタルな気持ちにさせようと意図していたならば、
私は「安い観客」になってしまいました・・・

でも、この場所を見たことのない人にとっては、
私の安いセンチメンタリズムなど、共感できないでしょう。
あくまでも「思い」は、それぞれ見る側にあります。
作者が意図してつくる。観客が思う。
そこにずれが生じた時、
驚きと作品の深度ができるのではないかと思います。

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